ケヴィン・ケリーの語るミラー・ワールド  WIRED CONFERENCE 2020より

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WIRED CONFERENCE 2020が、12/2から12/4の3日間、開催されました。

なんといっても、初日のキーノートは、すごかった!w

WIREDの創刊エグゼクティブエディター。

んじゃ、バリバリのテクノロジー大好きかというと、若いころは、ヒッピーのような生活をして、テクノロジーから距離を置く生活をしていました。

そんなケヴィン・ケリーが、今は、デジタル世界の未来を予見する重要な人物になっていて、テクノロジーを避けた生活と、最先端の両方を知っているからこそ、見えてる世界の『幅』が違います!!

ほんと、毎回、『そうか! そういう見方があったか!』って気づかされることばかり。

さて、そんなケヴィン・ケリーが語った『ミラー・ワールド』とは?

※あ、ここに書いている内容は、WIRED CONFERENCE 2020でケヴィン・ケリーが語った内容をリスペクトしつつ、私の解釈を入れまくってるので、ご注意ください(笑)。

今、あなたの身の回りを見渡すと、ディスプレイが、増えているこに気が付くでしょう。

ディスプレイに囲まれる私たち

この文章を読んでいるのもディスプレイで、パソコン、スマホ、テレビだけでなく、炊飯器や車のコンソール、デジタル・カメラにコーヒー・メーカーなどなど、いつのまにか、ディスプレイだらけ。

デジタル時計が出現して、あっちこっちに時計が埋め込まれたように、家電の小さなディスプレイから、ビルの壁面に取り付けられた巨大なディスプレイまで、数えきれないほどのディスプレイに囲まれています。

このようにディスプレイが、多くなってきたことで、情報の伝え方は、大きく変化してきました。

そもそも、情報を伝えるのに、人類は、言葉を発して、目の前にいる人に伝えることからスタートしています。

リアルタイムで、その場にいる人にしか伝えられませんでした。

そこから、文字ができ、時間を超えて伝えることが可能になります。

本ができて、印刷技術が進化し、より多くの人に、時間も場所も変えて伝えることができるようになりました。

ただし、印刷物の課題は、一度、文字にした後は、修正ができないことです。

多くの人に伝えることができるようになったのはいいのですが、その情報が古くなっても、間違ったとしても、修正することができません。

そのため、本にするには、間違いのないように、慎重に時間をかけて作る必要があります。

文字がデジタル化され、インターネットが世界に広まったことで、ここが変化してきています。

今、あなたが読んでいる文章も、こちらで修正すれば、瞬時に新しい文章になります。

文章の間違いに気が付けば、すぐに修正し、新しい文章を世界中に届けることができるようになったのです。

これは、画期的なことで、お手軽・お気軽に情報発信ができるようになったということ。

(もっとも、お気軽だからこそ、いい加減な情報も量産されるという弊害もありますが・・・ ^^;)

さらに、カメラが普及、いや、携帯電話・スマホにカメラがついていることで、動画でも簡単に情報発信できるようになります。

それを視聴するための、ディスプレイも身の回りにたくさん存在するようになってきてるので、ますます、ビジュアルで伝えることが主軸になっていきます。

スマート・グラスがこれからのインターフェイス

Googleグラスは、いろいろあって、なかなか浸透しなかったのですが、この先は、遅かれ速かれ、スマート・グラスと言われるようなメガネ型のディスプレイが主役になっていくでしょう。

というのも、いくらディスプレイが身の回りに増えていっても、リアルな世界と、情報の世界とを同時に理解するのは、大変だからです。

カーナビを考えてみてください。

GPSの精度が上がって、数センチの誤差になったところで、ナビ画面の地図と、運転しながら外の風景と見比べて、どこで曲がるのかを判断するのは人間です。

つまり、地図という情報と、リアルの世界とを比較して、どれがどれに対応しているのか判断しているのは、人間なのです。

もし、ナビの画面ではなく、車のフロントガラスに、矢印が表示されたり、交差点の名前が表示されれば、ナビの地図など見る必要はありません。

車の場合は、間もなく(?)自動運転になるので、運転すらしなくなりますが、歩いて移動する場合は、地図が必要ですよね。

よく、道端で立ち止まって、スマホをみながら、キョロキョロしてる人を見かけるのは、そのためです(笑)。

これが、もし、スマート・グラスになれば、矢印が現実の風景に重なって見えるので、どの交差点を曲がればいいのか、後、どれぐらいで到着するのかなども、手元のスマホをみることなく理解できます。

初めて訪問する会社でも、何階のどの扉に行けばいいのか、どの席の人に話しかければいいのかなど、スマート・グラスが教えてくれます。

もちろん、そのころには、エレベーターのボタンを押すことなく、スマート・グラスが『押して』(システムと連動してるので)くれるでしょう。

また、さまざまなデジタル化されたデータが、ビジュアルとして、現実世界と重ね合わせて見ることができるようになります。

設計図と目の前にある車と重ね合わせて見ることができるので、デザインや色だけでなく、どこにバッテリーが搭載されているとか、モーターはどこに位置しているのかなども、すべて理解できます。

あるいは、初めて会う人であっても、吹き出しのように、相手の勤務先、趣味などが表示され、話題に困るということもないでしょう。

場合によっては、あなたと同じ居酒屋の常連客ってことも、表示されるかもしれません(笑)。

ってことを、書くと、『プライバシーが・・・』とか心配する人たちもいますが、個人的には、プライバシーの考え方は、これから、大きく変化せざるを得ないと思っています。これについては、別の機会に・・・w

話を戻して、スマート・グラスが、今のスマホのように普及していくと、町の風景も大きく変化します。

該当広告など必要がなくなり、スマート・グラスを通じて、必要な人に必要な情報を提供するようになります。

食事を終えたばかりの人には、飲食店の看板や広告は必要ないですし、高校生の子供がいるお父さんにベビーカーの広告は必要ありません。

そういう必要のないものは表示せず、その人にとって必要と思われる情報が表示されるようになるのです。

人によって見えるものが違ってくる世界になってくるのです。

あ、もっとも、『共有情報』も必要になるので、同じ空間にいる人とは、シェアされる情報もあります。

例えば、一緒に食事をしようとしている人たちには、同じレストランの広告を表示しないと、どの店に行くか決められなくなりますからね(笑)。

これからを左右するミラー・ワールド

『ミラー・ワールド』というのは、ケヴィン・ケリーが好んで使っている言葉ですが、現実世界の物体等をスキャンし、デジタル化して、コンピュータの中に作られる仮想世界のことです。

現実世界の1分の1で、仮想空間に作り出すので、ミラー・ワールドと言っています。

今、自動運転を実現するために、道路の情報を、GPSだけでなく、路面の状態や周囲の建物のスキャン情報を、どんどん取り込んでいます。

位置情報だけでは、分からない道幅や、路側帯、ガードレールの有無、側溝の有無などまで、コンピュータに理解させようとしています。

そう、このミラー・ワールドは、コンピュータが私たちの現実世界を理解するために必要なデジタル世界なのです。

そして、そのミラー・ワールドは、現実世界とリンクし、現実世界で動かせば、ミラー・ワールドでも動く、逆に、ミラー・ワールドで動かせば、現実世界でも動くといったことになります。

先の自動運転で言えば、車のセンサーが、歩行者を認識し、右から左へ動いていくのを検出すれば、ミラー・ワールドのデジタル歩行者も右から左へ動きます。

ミラー・ワールドで、最適な道順を選択し、デジタルの車が左へ曲がれば、現実の自動運転の車も左へ曲がるのです。

現実世界が、ミラー・ワールドに影響するのは、イメージできても、ミラー・ワールドの動きが現実世界に展開されるというのは、なかなか受け入れにくいかもしれませんが、そういう世界になっていきます。

ミラー・ワールドになると文化が変化する

ケヴィン・ケリーは、このようなミラー・ワールドや、それを実現するのに重要なインターフェイスであるスマート・グラスは、これから、いろいろな呼び方で、変化しながら、20年後には、スマホのように当たり前になると言っています。

その時、文化というのもは、どのように変化しているのでしょうか?

文化というのを、どのように見るかは、なかなか難しいところなのですが、情報を伝える手段として本から、ビジュアルな動画に変化してくるということから見てみましょう。

本の場合、先にも書いたように、印刷物として固定された情報を変更することはありません。

だからこそ、出版する場合には、編集者や出版社が慎重に内容を確認し、チェックして、その時点での正確な情報を提供しようと努めます。

それがあるからこそ、本になっている情報については、多くの人が信頼しています。

また、その本を所有することも、ステータスになっています。

今でも、テレワークで本棚の前で話をする人って、少なくないですし、なんか難しいそうな本が並んでいると、なんとなく、すごい人って思っちゃいますよねw

しかし、これからは、ビジュアルな情報、リアルタイムな情報発信が多くなり、変化することが当たり前になってきます。

発信する側の責任よりも、受け手の責任が大きくなり、情報の取捨選択に対する責任は、受け手にあります。

これまで、固定して、蓄積していくというストック型の文化だったものが、常に変化し、移り変わるフロー型の文化へと変化していくのです。

すでに、その兆候は出てきていて、買い切りの商品ではなく、月額使用料を支払うサブスクライブの商品提供が増えてきています。

使わなくなったものを、メルカリやジモティで、次の人へ渡していくのも、新しい文化の現れですよね。

自動運転が広まってくれば、車を所有するという意味も大きく変化してくるでしょうし、テレワークのように、どこにいても仕事ができるようになれば、持ち家ではなく、アドレス・ホッパーと言われるような定住しない生活も珍しいものではなくなります。

ストック型からフロー型へ文化が変化するというのは、ビジネスや生活に大きな変化をもたらすので、少し意識しておくと、これから先の変化を見落とすことがないでしょう。

さて、かなり、ざっくりではありますが、WIRED CONFERENCE 2020でのケヴィン・ケリーの話を、私なりに解釈して、お伝えしました。

本当は、もっとすごいレベルの話なのですが、なかなか消化しきれてなくて(^^;

気になる人は、ぜひ、ケヴィン・ケリーの著書を一読してみてください。

その未来を見据える視点に驚かされますよ!

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