DXは、「デジタル・バツ」と読む? 電子署名の間違い方

脱ハンコとかで、デジタル化、電子署名とか、話題になってるけど、なかなか進まない・・・

何故なんだろう??って思っていたら、先日、ある企業さんからこんな話を聞いて、目が点になってしまいました。

そりゃ、脱ハンコ、電子署名なんて、無理だわ・・・・って思った話。

「なかなか電子署名って難しいんですよねぇ・・・」

先日、とある企業の人と話をしていました。

IT関連企業さんなんですけど、そこの担当者が、

某社 「政府は、デジタル庁とか、脱ハンコとか言ってるけど、実際、中小企業とかやりとりすると、大変なんですよねぇ・・・」

私  「あー、脱ハンコと言われても、何をしていいか分からないってことなんですよね??」

某社 「いえいえ、送られてくるPDFファイルで、書類のスキャンとかが、ちゃんとできてないのが多いんですよ。署名とか印鑑のところがぼやけてたり、折れ曲がってたりして、読めないのがあって・・・」

私  「え???」

最初、何を言ってるのか意味が分からなかったのですが、よくよく話を聞いてみると、こういう手順で『電子署名』してるそうです。

1)印刷した契約書にハンコを押して、スキャンし、PDFファイルをメール添付で送る

2)受け取った側は、そのPDFファイルを印刷し、ハンコを押して、スキャンして、PDFファイルをメール添付で送り返す

3)受け取ったPDFファイルを印刷して、内容を確認し、契約締結完了。書類を専用のバインダーに綴じて、キャビネットで保管

いやはや、これは、私も想像しなかった『電子署名』!!! 画期的すぎました!!

スキャンするので、そのときに、ぼやけたり、紙が折れ曲がったりして、署名や印影がはっきりしないPDFファイルが届くことに。

で、再度、連絡して、スキャンしなおしてくれって頼むとか(^^;

そりゃ、こんなことやってたら、いくら『電子化』しても、不便が増えるだけで、『ハンコ押した方がよくね?』になりますわ(笑)

30年前と変わらないデジタル化の意味

30年前に、『ペーパーレス・オフィス』とか、『OA(オフィス・オートメーション』なんて言葉が流行りました。

コンピュータ(パソコン)を導入して、紙とおさらばしましょう!ってことで、大手企業も中小企業も、パソコンを導入し、コピー機なんていらなくなる!とか言われてましたwww

で、どうなったのかというと、稟議書や議事録、プレゼン資料、売上一覧などなど、画面上では確認しにくいから、プリントアウトして確認するようになります。

画面上では、メモ書きや付箋紙、マーカーが引けないので、まずは、プリントアウトして・・・。

会議資料で、10部コピーしてから、ページ番号が入ってないのに気が付いて、また、10部コピーしなおし・・・

ええ、以前にも増して、コピー用紙が大量に使われれるようになりましたw

そう、思い起こせば、この頃から、コピー機の前に、行列ができるようになったのです(笑)。

余談ですが、心理学の研究から、人間は、何でもいいから理由があると、譲ってくれるということらしく、コピー機の前の行列に割り込むには、理由をつけて

「すみません。会議までに10部コピーしないといけないので、順番、譲ってくれます?」

というと、譲ってくれる確率が、格段に上がるそうです。ただ、心理学の面白いところは、この理由をどこまで『ゆるく』できるか実験したところ、

「すみません。コピーしないといけないので、 順番、譲ってくれます? 」

こんな言い方でも、譲ってくれるとか!!!(笑)

おっと、そんな話ではなく、デジタル化の話ですね。

30年前のコンピュータを導入しよう運動から、ネットワークでつなぐってことになって、社内LANとか、情報共有とか、言われるようになりました。

しかし、従来の業務を単にデジタル化することだけを実現していて、オフィスの壁一面を占めていた書類の山を、数か月かかって打ち込んでデジタル化するってなことを、必死でやってました。

デジタル化したのだから、さぞかし、探している書類を一瞬で見つけられると思いきや、キーワードをどうするかとか、書類の分類番号の決め方とかが、適当だと、逆に見つけるのに苦労する状態に。

とある企業は、紙の書類をファイルして、戸棚に置いてあったときは、30秒で見つけられた書類が、デジタル化したことで、1分かかるようになったという笑えない事例もありました。

しかも、紙の書類のファイルなら、一度に、複数人が『アクセス』できたのですが、1台のパソコンに全データを入れてるものだから、1人しか『アクセス』できなくなって、効率が落ちるということも(悲劇・・・)。

でも、これと似たようなこと、今もやってません??

デジタル化ではなく、DX!

デジタル庁などは、単にデジタル化だけでなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を使い始めています。

DXをデジタル革命とか言ってる人もいますが、革命ではありません。『変容』ですね。形が変わっていく状態。

最初に紹介した契約書のやりとりの話ですが、紙の書類をスキャンしてPDFにするのは、単なる『デジタル化』。業務の流れそのものは何も変化しないで、紙で送付してたのを、デジタルで送付するようにしただけ。

ソロバンを電卓にしたところで、大きな差は生まれないのと同じ。

ソロバンから電卓ではなく、エクセルにする必要があるのです!

って、もう少し説明しますねw

電卓を使ったところで、数値が変われば、毎回、毎回、計算する手間は変わりません。

それを、エクセルを使って、集計する関数を埋め込めば、各支店の売上数値を入力するだけで、自動的に全体の売上が計算されます。

計算する手間が省けるのです。

さらに、各支店での集計データをネットで自動収集して埋め込めば、全体の売上を出すための入力も省けます。

こういうことを考えていくのが、DXの重要なところ。

DXは、業務の見直しから始まる!

「よっし! じゃあ、デジタルのデータをどうしたら楽になるか検討しよう!」

ちょっと、待ってください。それじゃ、ぜんぜんダメなんです。

DXをやるためには、今の業務を真剣に見直していくことからスタートする必要があります。

紙の書類に書いていることをデジタル化して、でもって、そこから何を省けるかって考えていたら、根本的な解決にはなりません。

今の業務の流れを、すべて『見える化』して、どういう業務処理をしているのか、すべて洗い出すことから始めてください。

そして、一つひとつが、本当に必要なことなのか、記録しているデータは何に使っているのかなど、細かくチェックしましょう。

そうすると、誰も使わないのに、これまでの慣習で履歴を残しているとか、複数の部署で、同じデータを集めて記録しているとか、いろいろなことが見えてきます。

さらに、そこから、今まで気が付かなかったデータの価値や使い方も見えてくるでしょう。

それを踏まえた上で、デジタル化していくことで、DXへとつながるのです。

とまあ、かなり端折りましたが、デジタル化=DXではないことを、分かっておかないと、DXが『デジタル・バツ』ってことになりますよ!!

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