Catch the Web ASIAの横山直宏氏が、『インターネットビジネス活用の教科書』を配布してるので、読んでみました。
まず、目次はこんな感じ。
第1章 はじめに
横山直宏のビジネスの実績
主催するコンサル&コミュニティ「YCS」会員の実績
なぜ、これだけの結果をYCS会員が出せるのか?
ビジネスで重要なマーケティング思考とは?
第2章 ビジネスの本質を知るだけで結果は大きく変わる
本質1 ビジネスは価値と価値の交換
本質2 最も重要な資産は顧客リスト
本質3 LTV(生涯顧客価値)で考える
第3章 これからの時代マーケティングがますます重要になる
なぜ、マーケティングが必要なのか?
会社の倒産の原因の7割を占めるもの
人によって定義が曖昧な、マーケティング
マーケティングで目指すべき究極の目標
第4章 マーケティング実践の3ステップと押さえるべきポイント
マーケティングの実践はたった3ステップでOK
見える化して改善を促進する(マーケティングフロー)
結果を出すために押さえるべき2つの重要ポイント
第5章 時代によって変化するマーケティング
近代のマーケティングの変遷
マーケティング4.0の現代に重視すべきことと実例
第6章 さいごに
では、順番に何が書かれてるか、ざっくり説明してみますね。
第1章 はじめに
この部分は、横山直宏氏の自己紹介とか、これまでの実績ですね。
2006年に1社目を創業してから、約100億円をインターネットから売り上げているってな話や、今はマレーシアのIT認定会社がメインで、海外に住んでいるということ。
また、横山さんのコンサルティングが受けられるYCSというサービスを開始し、その中で、会員が、次々と実績を出し、売上が倍増した、収益が3倍になったとか、YCSの会員が結果を出している話が続きます。
って、まあ、この辺は、すごっ!と思うと同時に、まあ、宣伝ですよね?って思ってしまいますけど(^^;
ただ、軸は、インターネットを活用するということからブレていないというのは、Webマーケッターとして活躍されているからこそだと思います。
『インターネットビジネス活用の教科書』の内容から、少し外れますが、横山さんと実際に会って話をしてみると、インターネットを活用するという視点から、ブレていないし、根っからのマーケッターであるのが分かります。
徹底的にマーケティング思考で、この書籍にも書かれていますが、『顧客が求めている商品を作る』ということに徹しています。
逆を言えば、売れないものを無理に売らない、顧客が欲しているものしか売らないので、そりゃ、売上は上がるに決まってます(笑)。
マーケティング用語でいえば、プロダクトアウト(いい商品をつくれば売れる!)ではなく、マーケットイン(お客さんの求めているものを商品化する)を優先売るのです。
第2章 ビジネスの本質を知るだけで結果は大きく変わる
ビジネスの3つの本質を理解しておくことが重要だと説いています。
その3つとは・・・
本質1 ビジネスは価値と価値の交換
お客さんは何に対してお金を支払うのかというと、商品やサービスであることには、間違いないのですが、その商品やサービスが提供する価値と交換しているのです。
いくら高価なものを安く提供しても、そこに価値がなければ、売れないのです。
極端な言い方をすれば、騙して売ったところで、悪評が広まり、お客はどんどん逃げていきます。
そうならないためには、期待通りの価値を提供しつづけることが大事なポイントとなります。
そのためにも、『自分が好きなもの、得意なものを提供』することだと、横山氏はいいます。
そうしないと、価値を提供し続けることが難しくなるからなのですね。
ただ、難しいのは、『得意なこと』は見つけにくいということ。
本人にとっては、当たり前すぎて、簡単にできてしまうから、得意なことだと思っていない可能性があります。
ここでも、周囲の人の声、お客さんの声を聴くことがとても重要になります。
本質2 最も重要な資産は顧客リスト
これは、ビジネスをやっている人に説明するまでもないですよね。
江戸時代に火事が起きると、番頭は『大福帳』を井戸に投げ入れて、逃げたと言われています。
店が燃えて無くなっても、井戸の中に投げ入れた『大福帳』だけが残れば、そこに書かれたお客さんの名前で、商売を再開できるということです。
顧客リストを作らなければ、売り先を、いつもゼロから探すことになり、膨大な時間とコストを投入することになります。
もちろん、リストに載っているすべての人が買ってくれるわけではありません。横山さんの会社でも、実際は10%ほどの人だけです。しかし、その10%の人たちが、売上の9割を生み出してくれるのです。
そして、顧客リストから、どのように発展させて、ブランドなどの資産を作りだし、売上を安定させていくのかが、常に考えるべきことなのです。
本質3 LTV(生涯顧客価値)で考える
LTV(障害顧客価値)とは、1人のお客さんが生涯を通じて、どれだけ買ってくれるのか?という売上です。
商売をしているのはあなただけではありません。競合からも、激しい売り込みがありますし、常に、新商品が世の中には出てきます。
お客さんの心は、揺れ動くのですが、それでもなお、自分の会社を選んでくれるように、ファンになってもらうことを考えるべきです。
目先の売上や利益を求めるあまりに、LTVを失ってしまっては、意味がありません。
つねに、リピーターになってもらうために、どのような商品やサービスを提供すべきかを考えるクセをつけることが大切です。
第3章 これからの時代マーケティングがますます重要になる
日本のバブルが弾ける前までは、作れば売れるような時代でした。
ちょっとした流行りに乗っかれば、飛ぶように売れることもありました。
しかし、バブルが弾けた後は、消費が冷え込み、本当に欲しいものにしかお金を使いません。
だから、差別化などが重要視されるようになってきました。
ただ、そういう差別化をやっていくと、困ったことに、ニッチ市場と言われることになり、どこに顧客がいるのか下がすのが大変になりました。
しかし、インターネットが広まり、SNSの時代には、そういうニッチなジャンルでも、お客さんとの接点を見出すことが可能です。
何千万人が使うような商品、サービスを作るのは難しくても、数千人、数万人といったニーズを満たす商品は、まだまだ開発可能です。
そして、それを欲しい人は、SNSなどを通じて日本中、いや、世界中からでも、見つけることができるようになったのです。
さらに、マーケティングを身に着ければ、自社に商品がなくても、商売が可能になります。
横山さんも、犬のしつけに詳しいわけではないですが、犬のしつけの専門家の情報を、DVDにして、販売することで、4年間で3億円を売り上げました。
インターネットがあるからこそ、犬のしつけに困っている人を、日本中から見つけることができたのです。
マーケティングを身に着けておかなければ、これから、ますますオンラインでのビジネスが主軸になっていくので、経営が厳しくなっていくでしょう。
ただし、『マーケティング』という言葉は、よく聞くけれど、改めて考えると、どういうことなのか理解できているでしょうか?
セールス? 調査? プロモーション? 広告?
いろいろと考えてしまいますが、それらすべてを含んでいます。
横山さんが言うには、
見込み客のニーズを探り、
ニーズを満たす商品を作り、
販売経路を考えて、
顧客にアプローチし、
商品を提供後は
アフターケアを欠かさない。
商品・サービス設計
ビジネスモデル設計
宣伝・広告
集客
販売・セールス
商品提供
アフターケア
マーケティングという言葉には、
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この一連の流れが、
すべてマーケティングということです。
だそうです。
そして、マーケティングの究極の目標が、『セリング(販売)を不要にすること』なので、ぜひともマーケティングを学んでみたい!って思いますよね?w
第4章 マーケティング実践の3ステップと押さえるべきポイント
マーケティングをやるとなると、広い範囲になるので、どこから手をつけていいのか分からなくなってしまいそうです。
ところが、マーケティングは、3つのステップに分けることができます。
- 商品・サービス開発
- 集客
- 販売
それぞれ見ていきましょう。
ステップ1:商品・サービス開発
お客さんがお金を出してまで欲しい商品やサービスを開発すること。
ここを間違ってしまうと、残りのステップをいくらしっかり実践したところで、売れなくなってしまいます。
ステップ2:集客
商品サービスの価値を感じる人に情報発信をして集客すること。
誰に対して売る商品なのか、どんなニーズに応える商品なのかを明確にして、集客します。
よく、『誰でも欲しくなる商品』とかいいますが、そんなものは存在しません。
男性なのか女性なのか、大人か、子供か、職業や住んでいる場所など、とにかく細かくお客さんになる人物像を具体化して、集客を行います。
ステップ3:販売
商品の価値をお客さんに伝えて買ってもらうこと。
これ、意外とできていないことが多いのです。
いくら集客にうまくいっても、自社の商品やサービスの価値を、しっかりと伝えていなければ、売れるものも売れません。
逆に、しっかりと価値を伝えて、『これなら、安い!』と思ってもらえれば、どんどん売れていくことになります。
いきなり完璧なことはできない!
先の3つのステップを実践といっても、いきなり出来るわけはないです。
完璧にできるなら、そもそも、あなたはビジネスで大成功してるはずw
こういうのは、PDCAサイクルを回すことが重要なんですよ。
仮説を立てて、トライしてみて、チェクして、仮説を修正して・・・。
これを、数多く繰り返していくことで、より精度が高くなっていきます。
そのためにも、『マーケティングフロー』をしっかり作ること!
マーケティングフローというのは、どうやって、あなたの商材を見つけて、興味を持ち、購入へと導くのか、その流れを書いたものになります。
例えば・・・
実際は、集客のところで、ステップメールだとか、集客のセミナーとか、Zoomの個別相談とか、いろいろありますし、購入後も商品を送る、オンラインで提供するなど、もっと、沢山追加していくことになります。
こういうビジネスフローを書いて、何を準備すべきなのか、見込み客は、どこまで進んで、どこのハードルが高くなっているのかなどを分析します。
そうすれば、改善策が見えてきます。
結構、地道ですw
売上1億円を作り出すには、顧客が何人必要?
年間1億円の売上を作り出すには、顧客が何人必要でしょうか?
え? 単純な割り算じゃないかって?
確かにそうなのですが、どのような割り算をするのかをよーーーーく考えないと、1億円にはなりません。
月額1000円の商品だったら年間1万2千円になるので、8333人が継続する必要があります。
しかし、年間100万円の商品なら、100人となります。
もちろん、月額1000円の商品と、年間100万円の商品では、提供する価値は100倍違うのは当然なので、そこまでの価値提供ができるのかどうかを考える必要があります。
また、お試し的に年間1万円を用意して、そこから、年間30万円、年間70万円、年間100万円といった商品を用意して、組み合わせることも考える必要があります。
フロントエンドとバックエンドという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、バックエンドが本命の商材(先の例なら100万円)で、フロントエンドは、安い商品を用意することを考えて、集客していくこともあります。
最近は、無料お試しで、商品のトリコにして、月額会員に導くというのも多いですよね。
あなたなら、年間1億円の売り上げを、どのように組み立てますか?
第5章 時代によって変化するマーケティング
マーケティングが変化してきたというか、お客さんの欲しいモノは、どんどん変化しています。
その変化を分かった上で、商品を考えていく必要があり、提供方法も考えていかなければならないのです。
ここでは、近代マーケティングの父、フィリップ・コトラーが提唱するマーケティング1.0から4.0への変化を見ていきましょう。
製品中心のマーケティング1.0
1960年代、1970年代は、商品を作れば売れる時代でした。
先進国が経済成長しているので、とにかく大量生産し、コストを下げて、価格を下げれば、どんどん売れていました。
消費者志向のマーケティング2.0
隣の人が買えば、自分も買うといような時代が終わり、消費者は、他人と比較するのではなく、自分が欲しいものを求めるようになってきます。
自分の価値観とか、他の人と違うものを求めるようになってきました。
消費者の欲するものをさぐり、それを商品にすることによって、売れる時代に変化しました。
価値主義のマーケティング3.0
消費者は、より商品の持つ『価値』に対して敏感になってきました。
商品が溢れてくれば、個々の商品の価値、違いといったものが浮き彫りになるので、それを比較するようになってきます。
また、他人の評価が気になるようになり、どんな『価値』があるのかを探ろうとします。
商品レビューなどに関心が高くなってきたのも、この『価値』を知りたいことの現れです。
自己実現のマーケティング4.0
自己実現というと難しそうですが、『理想の自分になれるかどうか』という消費になったといこと。
今が、この時代であり、ライザップなどが分かりやすい例でしょう。
カッコいい自分、美しいバランスの取れた身体を手似れたいと思う、それをコミットしてくれるからこそ、申し込むし、また、それを実現しようとするのです。
マーケティング3.0とマーケティング4.0は、消費行動としては似ているように見えるのですが、その根底にある消費行動の理由が違います。
例えば、同じルイビトンのバッグを買うにしても、ルイビトンに対する価値を認めるから購入するというのが、マーケティング3.0。
これが、マーケティング4.0になると、ルイビトンのバッグを持っている自分が、より自分のステータスを高める、より理想とする自分に近づけると考えるようになります。
では、そんなマーケティング4.0では、どんなことを重要視すべきなのでしょうか?
マーケティング4.0の現代に重視すべきことと実例
マーケティング4.0では、顧客の自己実現に、いかに共感するのか、共感してくれるものを売るのかが重要になってきます。
例えば、AppleのiPhone。
iPhoneは、単に性能がいいから、デザインがいいからだけで売れているのではありません。
やはり、最初にいPhoneを作り出したスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションや、Appleストアの世界観などに『共感』する人たちが多いのです。
Appleマニアの人の中には、iPhoneを全色揃えるといった人もいます。
こういう消費は、単に、iPhoneに対する価値だけでは説明できない消費です。
こういう消費行動は、心理学者アブラハム・マズローが唱えた「自己実現理論」によって説明されることがあります。
衣食住や安心するための消費はあるのですが、コンビニやスーパーにはモノが溢れ、住む場所もあり、衣服もあちこちで手に入る環境では、そこに重きを置いていません。それよりも、自分らしい生き方、理想の自分になるための消費活動に使う時間の方が多くなってきています。
自己実現のために消費する、だからこそ、それを満たすための価値を提供することが重要視されているのです。
例えば、「売り上げの一部を、環境保護団体へ寄付します」といったことも、自己実現のための価値ですよね。
こういう価値観を提供することを、しっかり考えれば、まったく同じ商品であっても、より価値が高まり、自己実現のために高額でも消費してくれる人が集まってきます。
自己実現の価値を提供すること。それをオンラインで伝えることがこれから求められる!
いかがだったでしょうか?
コロナ禍で、リモートで、オンラインでの接点が増えてきています。
その中では、価値を伝えるのもオンラインになっています。
面と向かって、時間をとって説明するというのが、難しくなってきているので、オンラインで、リモートで伝えられなければビジネスにならなくなっています。
そして、単に商品価値を説明するだけでなく、その商品を使うことで、どのような自己実現ができるのか、自己承認欲求を満たすのか、ベタな言い方をすれば、その商品によって、理想に近づけるのかを伝えることが大事なのです。
そうやって、もっと充実した楽しい社会へと変革していくように思います。